教室に入ると、クラスの中心の女子グループが駆け寄ってきた。
「龍二くん、苺ちゃんと付き合いだしたのってホントなの!?」
龍二に聞いてから、リーダーの亜由美が苺をジロッと睨む。
「ホントだけど」
龍二が答えると、亜由美は苺の右腕をガシッと掴んだ。女子とは思えないパワーに、苺は思わず悲鳴を上げる。
「ちょっと…!?」
アタフタしだす龍二には何も言わず、亜由美は
「何抜け駆けして龍二くんと付き合ってるの?龍二くんはあたしたちのグループ六人のモノなの。グループにいないアンタが横取りしないでくれる?」
と低い声で言った。