不意に龍二が動いた。

 殴られる!?



 条件反射で目を閉じる。

 だが、痛みは感じない。それどころか――



「んっ!?」



 唇を塞がれた。指のような硬い何かではなく、柔らかくて熱いものだ。


 そっと目を開けると、龍二の目が目の前にあった。微かに涙でぬれた長い睫毛を暫く眺めていると、龍二の唇が離れる。



「な、なんでキスなの?\\」



 苺は赤くなった頬を押さえてそっと聞いた。