「他人事だと思って…!!」


 だが、他人事といえば、他人事なのかもしれない。否、だが苺を連れだしたのは紛れもなく奈々子だ。



「そこに座って」



 不意に聞こえた龍二の声に、苺は足を止める。すぐ目の前にはベッドがある。ここに座れということらしい。



 苺はベッドに腰かけた。

 すぐ目の前に龍二が腰に手を当てて立つ。




 暫らく、沈黙が流れた。相変わらず龍二は怖い顔で、苺が耐えきれず「何があったの」と聞こうとした時だった。