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家に帰った奈々子と苺を待っていたのは、憤怒の顔を浮かべて立っている龍二だった。
「どういうことか、説明してよね!」
怒鳴る龍二を尻目に、奈々子が苺に耳打ちしてくる。
「あんなに怒るとね、龍二結構機嫌治らないのよ」
ギロッと龍二が奈々子を睨んだ。それから、苺の手をいきなり掴むと、
「話がある。ついてきて」
酒を飲んで酔ったときとはまた違う口調で言った。
「お、怒られるのあたしだけなの!?」
抗議の声を上げても、龍二は何も言わない。歩きながら奈々子を振り返ると
「ドンマイ」
小さな声で言うのが聞こえた。