―――――――― ――――― ―― 目が覚めると、フロントガラス越しに海が見えた。 「あれ…?」 苺が声を上げる。 車は動いていないし、運転席には奈々子もいない。 「あたし…?」 呟いた時だ。 運転席のドアが開いて、奈々子が顔を出した。 「苺ちゃん、起きたのね!」 心配したのよ、と奈々子は言った。