「あ、ごめんね。龍二たちに見つかる前に家出たかったのよ」



 奈々子は言いながらもアクセルを踏み込む。



「もうすぐコンビニに着くから、そこで朝食買おうか」


「あ、はいっ」



 苺は頷き、それから魚々子を見た。


 龍二と同じく美形の整った顔立ちだ。



 横顔は龍二そっくり。



「今日はどこに行こうかな…。海が見える場所ならどこでもいいんだけど…。あ、そだ、苺ちゃんはどんなとこ行きたい?」



 不意に奈々子が苺を見た。



「えっ、あのっ、その…っ!ま、前見てっ!!」