翌朝、朝ごはんを食べに行くといつもなら既に家を出て行っていて姿が見えない奈々子がいた。
「あ、苺ちゃん」
彼女が顔を上げ、呟く。
「あ、えと…おはようございますっ」
苺が挨拶すると奈々子はかじりかけていた食パンを皿に戻した。
「ねぇ、二人きりでどこかへ出かけない?」
「え?」
聞き返すと、
「あ、でも今日は君学校だよね。…土曜日、一緒に出掛けない?」
奈々子が訂正する。
「え、あ、はい!」
「よし、決まりっ」
奈々子は立ち上がり、牛乳を取りに台所へ行ってしまった。
入れ違いに真魚と博斗、龍二がダイニングに入ってきた。