嫉妬。
その言葉を、苺は頭の中で繰り返す。
「だから、苺ちゃんは僕のことが好きだって事」
苺は、少し前に真澄の家に泊まることになった時のことを思いだした。
あの時、確か龍二は苺が真澄の家に泊まることが嫌だと言った。
「じゃあ、龍二くんはどうなの?」
「どうって?」
「私が真澄くんの家に泊まるとき、迎えに来たよね?」
「…だから言ってんじゃん。嫉妬だって。……僕も、苺ちゃんのことが好きなんだって」
ドキッ…。
好きという言葉に、顔が熱を帯びて行った。
自分が龍二のことを好きだと指摘されたことなど忘れ、苺は龍二の自分に対する気持ちに驚いてばかりだった。