少し大げさにため息をついた苺に、龍二が



「どうかした?苺ちゃんがため息つくなんて珍しいな…」



 と呟く。


 苺は龍二に顔を覗き込まれ、慌てて首を振った。




「め、珍しくなんかないんだからっ」



「苺ちゃん、顔真っ赤…」



 呆れたように龍二は笑い、それから不意に苺の手を掴む。




「え、こ、今度は何?」



「いや…特に意味はないんだけどさ…」




 言いながら、龍二が苺の顔を食い入るように見つめた。




「ため息、あんまりつかない方がいいよ?ため息つくと、幸せが逃げちゃうとかよく言うし」