「そ、それよりさ、国語、どこがわからないの?」



 苺は龍二の手を払いのけながら聞いた。



「どこがわからないのか、わからないんだよね」



 龍二が答える。



「何それ…」



「じゃあ逆に、苺ちゃんは数学のどこが苦手なの?」



「え…。たすき掛けの因数分解…」



 苺は俯きながら答えた。



「え、簡単なのに?」



「そんなこと言ったら、国語なんて全てが簡単じゃないの」