龍二の指摘に心臓が跳ね上がる。




「そ、そんなんじゃ…っ」




「だって、そうだろ?」





 龍二に手を引かれ、彼の顔がすぐ目の前に迫ってきた。



 彼の息遣いがすぐ傍で聞こえる。





「…でもっ」




「苺って、素直じゃねぇよな」




 龍二はそう呟いて苺の手を離した。




「素直にならねぇと、大切な物失くしちゃうぜ…?」



 なんだかそれは、龍二の経験のような気がしてならなかった。