龍二が言った。



「え、理性もたないって、どういう…?」



 私はバッと起き上がる。



「…あー、酒飲みたい…」



 龍二がのそっと起き上がり、ワイングラスとウィスキーを取り出す。



「え、今から飲むの!?」



「そうだけど、悪いかな?」



 悪いと言わせない表情で言い、彼は酒を飲み始めた。



 苺はそっと龍二から離れる。このままだと、酔っぱらった龍二に何をされるかわからないからだ。




「…俺から逃げんなよ」



 既に遅かった。



 苺は声の方をゆっくりと見る。頬を赤くして酔っぱらった龍二がすぐ傍にいた。