苺は龍二の腕に閉じ込められ、戸惑った。 


「苺ちゃん、好きな子いる?」


 この前と違って、2択の質問ではない。


「うぅん、いない」


「初恋は?」


 記憶があまりない。



 答えずにいると



「まだってことでいいんだよね?」


 龍二は勝手にそう決めつけたようだった。


「ならさ、僕でいんじゃない?」


「え?」



 苺は首を捻った。