夜七時に、苺は龍二の家を出た。



 真澄の家まで歩くこと十五分。



 送り迎えをする、と言われていたが、苺は久々に歩いて出かけたくなり、それを断わった。



 ピンポーン



 真澄の家のチャイムを鳴らすと、まるで苺の到着を待ちわびていたかのようにドアが開いた。




「苺、遅かったじゃん。…まぁいいや、入って」



 真澄に案内され、苺は家に入った。



「おじゃましまぁす…」



「俺、一人暮らしだから変に気を遣わなくていい」