一週間に一度、苺は真澄の家に泊まりに行く。
それは龍二に言われたからだった。
――俺、一週間に一度家に女呼ぶからさ、その日は真澄の家にいてくんね?
酒を飲んで酔っ払った龍二がそう言ったのは三日前。
そして今日がその、真澄の家に行く日だった。
「くれぐれも迷惑かけないようにね」
酒の入っていない龍二が、素っ気なく言う。
あの雨の日から、苺と龍二の間には亀裂が入っていた。
きっと、今日来るのは龍二の言っていた「好きな女」なのだろう。
そう思うと、苺は悲しくなった。
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