龍二side


「俺、何言ってんだろ…」


 龍二はベッドに横になったまま、自分の手を見ていた。


「苺、震えてたじゃん…」


 あんなひどい言い方をした自分が嫌になる。



 龍二はベッド脇に置いてあるワインの入ったグラスを持ち、上体を起こした。



「でも、まさか苺が俺を選ばないなんてな…」



 龍二は、てっきり苺に選ばれると思っていた。



 だから、苺に選ばれなかったことが悔しくて、ついあんなことを言ってしまったのだ。