龍二はそう言って、苺の方まで歩いてきた。



「そうやって僕から逃げちゃうんでしょ?」



 苺は龍二に背を向けたまま、ドアの方まで向かう。がしっと肩を掴まれて、立ち止まった。



「ダメって言ったでしょ?」



 苺は濡れた服を見下ろした。




「でも、風邪ひいちゃうじゃない」



「じゃあ脱げばいいじゃん」



 後ろを振り向くと、満面の笑みの龍二が苺を見下ろしている。




「……脱げるわけないじゃんっ!!」



 苺は顔を火照ってくるのを感じた。