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 真澄とは、前に苺が住んでいた家の近くで別れた。



 迎えに来られても困るワケで、苺は家の正確な位置は教えずに「この近くなんだ」とだけ言って別れた。



 そこから龍二の家まで戻り、大きな門をくぐる。



 家の敷地に入った時だった。



「あ、苺ちゃん!!」



 大きな声に驚いて苺は足を止めた。




「苺ちゃんだ〰〰!!」



 この雨の中、玄関の前で傘を差したままずっと待っていたのだろうか。



 龍二が玄関の前で傘を持って立っていた。