龍二は階段を駆け下りてくると苺の右手を掴んだ。



「きゃっ」


「僕が案内してあげるからね」



 龍二はにこやかに言い、階段を三倍速で駆け上る。



「え!?ちょっ…待っ…速…っ」


 苺は龍二の足の速さについていけず戸惑った。



「足遅いなぁ、香坂さんは」



 龍二はどこか嬉しそうに言う。