真澄も苺より手前で足を止めた。



 二人の横を自転車がベルを鳴らしながら通って行く。




「…なんでそんなこと…言うの?」



「……それとも、龍二の体目当てかよ」




 真澄が振り向いた。



 反射的に顔を背ける。



「多いんだよな、アイツの体目当ての女」



 真澄が近づいてくるのが気配でわかった。



 苺は真澄を見ることができず、ただ顔を背けたままだった。