龍二に手招きされ、苺は彼に近寄った。



「苺ちゃんの体、温かーい」




 苺は龍二に抱きしめられて失神しかけた。心臓がうるさい音を立てる。




「…龍二…くん、離してくれないかな」




 苺は龍二を見上げた。




「え?何なに?声が小さくて聞こえないなぁ」




 龍二は意地悪な表情で耳の後ろに手を当てる。




「も…いい」



「ふーん?じゃあ苺ちゃん、今かr…「くしゅんっ」



 苺は小さく、だが龍二の言葉を遮る大きさのくしゃみをした。