「あぁ、君が苺ちゃんだね。征十郎の娘だろ?」 奥の通路からやってきた男が言った。 着ている服はタキシードだ。 「俺は金森吾郎だ」 金森吾郎という男も、なかなかのイケメンだった。 ワックスで立てられた金髪、 鋭い眼光をたたえた切れ長の目、 筋の通った鼻、 煙草がよく似合いそうな口元。 「おかえり龍二。オマエは少し部屋に行っていてくれ」 龍二が右手の階段を上って行った。