保健室で、龍二が真澄に秘密を言いかけたことを思いだした。



 龍二が秘密を暴露してしまう日は、案外近いのかもしれない。そう思うと、苺は生きた心地さえしなかった。



 その時、インターホンが鳴った。



 苺は真澄だったらどうしようという不安に駆られた。真澄と龍二は仲がいいし、互いの家に通っていてもおかしくない。



 或いは女だろうか。龍二の恋人かファンかもしれない。



 いずれにせよ、苺はいないふりをする必要がある。



「お待ちください!」



 階下でこの家に雇われている家政婦が叫ぶのが聞こえた。



 訪問者が階段を上ってくる足音が苺の耳に届いた。