「早くしな」 龍二が言った。 そのとき、苺を急かすように雨が降り出した。 「早くしないと、風邪引くかもな」 龍二が腰を曲げて苺に顔を寄せる。 苺は固く目を閉じて龍二にキスした。 早く離れたい衝動を抑え、心の中で十秒数える。 十秒を数えたところで龍二の手が苺の腰をがっちりと固定した。 「!?」 これでは離れられない。