そう言って龍二がドアを開ける。



「お邪魔します」



 中に入った途端、苺はまた開いた口が塞がらなくなった。


 ここが、これから苺の家になるのだと思うと耳も目も疑ってしまう。



 入ってすぐのところに二階へ続く階段が左右から伸びている。二階まで吹き抜けの玄関ロビーの天井にはシャンデリアがつけられている。


 二階の通路の下には、一階にある施設に通じる通路があった。


 階段わきには石膏像が設置されている。


「すご…」


 苺は小さな声で言った。