「大人しくしろ」



 耳元で龍二が囁く。




「こ、これ…初めてなんだけどっ」




 苺は龍二から離れようと必死になった。



「出発しますよー」



 運転手が言うが、正直苺には答えられる余裕がない。




「は、離れて…っ」



「離すかよ。言っとくけどな、」