宿泊する予定のホテルで軽く昼食をとりチェックインも済ませ2時からはじまるファンミに間に合うように会場に向かった。


母は、もう心ここに在らず…姉の洋服の端を掴みまるで子供のように付いて従っていた。


こんな想いまでして会いたいなんて…


いったい何者?


「なーちゃん、私あそこにいるスタッフの人に聞いてくるからお母さんと待ってて」


姉に言われ母の手をとり会場の入り口を見渡した。


いったい、この人達はみんなどこからやってきたのだろうか…


口々に多分そのスターのことを語っているのだろう。


直子にはまるで別世界のことであり興味も涌かない話しばかりで皆が浮かれていた。


姉がいなかったら、とっくに痺れを切らせて帰ってしまうところだった。


姉が誰かと一緒に近づいて来た。