電車の中でも母は一人はしゃいでいた。


姉の純子はそんな母を冷めた目で見ながらも話は一通り合わせていた。旅行費用は全額母が出してくれるたも半分は旅行気分を楽しんでいるみたいだった。


父や兄の洋一郎からも母が興奮しすぎてはめを外さないよう看てやるように言われて来ていた。


姉の純子はそのことを充分理解していて接しているのだと直子は安心していた。


…なんで私が此処にこうやって付いて来ちゃってるのだろうか…ため息ばかりが出て母と姉の会話など全然耳に入らない直子であった。