「本当にごめん。でも、湊さんを嫌いとかそう言うのじゃなくて・・・・・・」

「・・・・・・」

でも、言葉が出てこない。

そしてまた再びお互い沈黙。

ただただ重苦しい空気だけが漂う。

「俺、忘れられない人がいるんだ。上手く言えないけど、大切な人、だから・・・・・・」

また沈黙を破ったのは李苑君。

その言葉に、さっきまでの辛い事を冷静に受け入れていた自分が消えるのが分かった。

心が切り裂かれたみたいに痛い。