「あーん、なんでぇー」

いや、本人はかなり真剣みたい。

「ちょっとやってみていいかな」

「うー」

納得いかないって顔で俺に場所を譲る湊さん。

といっても俺だって自信があるわけでもないんだけどね。

最後にやったのってまだ中学の頃だし。

あの時もこんな感じだったなってふと思い出す。

けど、すぐに頭からそれを追いやる。

本当はもう忘れたい事だから。

とにかく今はキャッチャーマシンに集中しよう。

湊さんが狙っていた黒猫のぬいぐるみにターゲットを絞ってアームを操作。