私はごく普通の女子高校生。 
 
  みんなと同じように息をして、
   みんなと同じように勉強してる。

 でもみんなと違う。 違うんだ。 

   ************

   私は櫻井柚穂。

  「ゆず」ってよばれてるんだ。

  でも「ゆず」って名前が大嫌い。

     大嫌い。大嫌い。

  あいつもよんでいたから―――

    私には付き合ってた彼氏がいた。
  
  一般的に言えば 「 元彼 」 
  
    でも私に最低の振り方をした。

 「 おまえなんか大嫌い。」 なんで?

   ついこの間まで二人いっしょだったじゃん。

  大好きだった。 君がいないと私は生きていけなかった。

     ねえ・・・そばにいてよ。

  私と同じ空気をすっていてよ。じゃなきゃ私苦しい。

     モノクロの世界観からカラーというものを見せて。

  もう私はあなたのいる存在にしか慣れてない。

     あなたがいたから私はこの世の中に飽きずにいてこれた。

  彼は、 椎名泰知 。 私と同じ学年で、同じ学校。

    こんなに近くにいるのにもどかしいほど近寄れない。

  「 ずー!ゆず!」 友達の 渡辺織音。

     織音は誰からも慕われてて私の憧れのぞんざい。

   「あ、ごめんね?違うこと考えてた。」

  にこっと笑う。なんだあたし笑えるんだ。

    「 ゆず、もう、あきらめなよ。辛いのはおりにだってわかるよ」

  「そうだね。 織音のいうとおり、あきらめないとねぇ」

    目が笑っていない私の顏。きっと織音呆れてるんだろうな。

  私の気持ちなんてわかってくれる人がいないんだろうね。

     泰知がいない世の中なんて考えられないよ。

    今なにしてる? 何食べた? 何時に起きた?
 
      私のことを嫌いになった理由を教えてください。