「あ、知ってるぜコレ。なんか合唱コンクールの曲だろ」

「へえ、そうなんだ。知らなかった。皆見くんは歌うの?」

「いや歌わねえよ俺バスケ部だし」

「なんだ残念、皆見くんの音痴っぷりを聞きたかったのに」

「…あのなあ」





自慢じゃないが俺はクラスでも1、2を争うほどの歌唱力を持つ男だぜ、今度那々にも聞かせてやるよと息巻くと那々はそれもう聞くのも5回目だよ、と呆れたように笑った。…そうだっけか。



まあいい、俺を音痴だと信じて疑わない那々が悪いんだよ。