「また音楽聞いてんの?」 「うん。最近はね、これがオススメ」 ベッドに落ちている方のイヤホンコードを自身の耳からたどり俺の声を頼りに無造作に投げ出された那々の白い手がもどかしくて、俺も手を伸ばす。 いつも通り細いままの腕を捕まえ、そのまま彼女の指の中のイヤホンを耳に当てた。