自分の部屋へ戻るため階段を上っていると


「樹梨、おかえり。」


弘兄と鉢合わせた。



弘兄の後ろには、知らない男の人がいた。



「弘兄、誰か来てるの?」

「あぁ。俺の後輩だ。」


弘兄は自分の後ろにいた彼を前に出した。



「こいつは七瀬悠磨(ななせゆうま)。あんまり会う機会ないと思うけど“友達として”仲良くやってくれよ?」



「うん!!」



「よろしく」


かっこいい人だな…



私はこの時、弘兄の“友達として”という言葉の本当の意味を分かってなかった。