「おい。誰の許可とって樹梨と話してんの?」
私の背後から聞こえた声はいつも聞きなれている声で…
でもいつもとは少し違う弟の俊(しゅん)の声だった。
「君誰?なんで人と話すのに誰かの許可をとんなきゃいけないわけ?
私に告白した彼は俊の低い声に負けないくらいの低い声で返した。
「俺は、長谷川俊。樹梨の弟だけど?」
俊は彼を鋭く睨んだ。
そして
「うちの姉貴に手ぇ出さないでくれる?」
と威嚇するかのように言い放った。
その言葉を聞いた彼は、
「心配しなくたって、俺は長谷川さんにフラれたんだよ?それに、もう手を出さ気はないよ。」
と笑って答え「それに怖いボディーガードがついてるしね。」と付け足し去って行った。