『 睦月 粋さん。読んで下さってありがとうございます。

わたしは王道のベタな恋愛物しか書けないもので…
男性読者様からの感想はめずらしく、大変感激しています。

そしてそして…遥のみならず私にまで、そんな風に言ってもらえて光栄です。

いえ、私はそんなイイ人間ではないですよ〜。小説のヒロイン、遥には私の憧れを重ねて書いていたりもするんです……………』



梅山ナツからの返事を読んだ俺は…


何故だか…よくわからないけど、涙が零れそうになった。


別に泣ける内容だった訳でも、感動を誘うような内容だった訳でもない。

だって、ただの感想に対する返事の書き込み。



ただ…

凄く言葉丁寧に書き綴られた内容で、

素直な文体で、

温かみを感じさせた。


俺が書き込んだ感想はせいぜい2、3行、
なのに梅山ナツは倍近くの応対を見せた。

自分の作品を読んでくれて、感動してくれて、感想を書いてくれた、その事に…

梅山ナツは本当に喜んでくれてる。



その事が…

たったそれだけの事が、


俺は堪らなく嬉しかった―……