俺は、グラス越しに微かに映るミズキを見た。
酒のせいなのか、顔を赤らめていくミズキは、どことなく切なく見えた。
恋愛経験を聞いたからか…
一途な恋愛を望んでばかりいる俺の姿とダブって見えて切なく思ったのかは、
わからない…
酒に弱いのか、ミズキはすぐに虚ろな目をして、
「ねぇ、隣りに座ってもいい?」
なまめかしい表情で、そう俺に尋ねた。
「えっ?」
俺が情けない声で反応するよりも早くミズキは、
俺の右隣りにグラスを持ったまま座った。
……
この状況はどう捉えればいいんだ…。
純粋だって思わせたり、積極的だって思わせたり、
嗚呼、メチャクチャだ…。
酒のせいで、トクントクンと乙女のような音を鳴らす俺を尻目に、
ミズキは、
「寂しいの〜!!」
室内に流れる有線の音よりも少しだけ大きな声で叫んだ。