「いつから?」そう聞かれたミズキは、少しだけ沈黙した後、顔を上げて言った
「高校生の頃から…かな〜」
「高校生!?…じゃあ、その時から今まで恋愛してないって事?」
恋を今でも探してる、何て言うなら…
多分そういう事だろう。
「恋愛ごっこ…だったのかもなぁ〜」
ミズキは見上げるように視線を上げた。
続けて、
「今思い返せばだけどね」
笑うように言った。
でも笑ってないように俺には見えた。
ミズキは更に、
「聞いてくれる?」
そう言って優しく微笑んで、自らの恋愛話を語り始めた。
ミズキは高一の頃に、告白された男の子と初めて交際をしたらしい。
最初は男の子の事を好きではなかったけど、周囲の環境に流されるように、
興味本位からだった…そうミズキは言った。
それから程なくして、その男の子とは別れたけど、
その後、付き合った数人の男は、全て相手からの告白によるもので、
自分自身の気持ちが恋に発展する前に、恋愛に進展してしまうんだと、
ミズキは悲しそうな目を覗かせながらも、淡々と喋り続けた。
一緒にいる事が依存によるものだと気づいた時には、
恋はそこにはなく、
恋がどんなものだったのかさえ、
わからなくなって、
泣き濡れる程に、
寂しくなった。
ミズキはそう言った。