すると、晴氷の肩に滴が落ちたのが見えた。



｢あ…ほら、狭いから。｣



俺が不意に呟くと、晴氷ははたと腕を回すのを止めた。



そして、俺に寄って来る。



あれだけで｢寄って来い｣って通じるってすげぇな。




｢んー…あ！｣




晴氷はいきなり声を上げたかと思うと、傘から飛び出した。



｢…おーい…｣



もうこの奇行に慣れた俺は、呆れた視線を投げるしかなかった。