「ねぇ、涼(リョウ)ちゃん。」 「なに?」 「夏休み…スイカ取りに来て。」 「…なんで?」 「いや、いっぱい送られてくるから。」 「今…6月だけど?」 「先行予約ってやつ。」 「…で?」 「約束してくれたら、傘に入れてあげる。」 今は6月。 つまりは梅雨。 急に振りだした雨のために、俺は立ち尽くしていた。 なので、この隣にいる彼女に借りようとしたんだけど…──