自由の種が元になった異次元の世界。


私とTちゃんの会話の間に


合いの手の様に異次元の言葉を入れてくる。


例えば、ド−ナツを食べてる時


私とTちゃんが「美味しいね」「うん」


と言ってるとT君にはド−ナツの穴でさえ、


何かの入り口らしく、


「ぶぉ−−−っ!ぶぉ−−−っ!」


と、穴に向かって叫ぶ。


どうやら敵が居るらしい!


ぶぉ−−、ぶぉ−−が


一通り終わった後、電車の駅名を


ずらずらっと言い始める。


敵はその駅の順番に逃げている。


そこで、恐れた上での「ぶぉ−−」


では無く、闘う為の「ぶぉ−−」


だったんだと分かる。


でも、T君の世界はシャボン玉の様に


真ん丸で、壊れ易い。


その世界の邪魔をしようものなら


一瞬で「ぷい」と何処かあさっての


方向をむいてしまうので有る。


T君だって意地が有る。


T君はT君で闘っているんだ。


自分の楽園を守ろうと闘っているんだ。


私はT君のそんな真ん丸な楽園に


一度連れていって欲しいと思った。


それだけ現実は悲しく菱形のカクカクで


私には辛いものだったから。