どんな重篤な病気の方でも今日より明日明日より明後日…て

絶対に思うと思うけど、

私はこの時疲れていたせいか、いつまでこの状態が続くのだろう…

と、途方に暮れていた。

でもそんな事を考える間も無く、走り回ってくれたのは、1番高齢で1番ちびっこい痩せっぽっちな母方の伯母だった。

父方の伯母は元看護師にも関わらず、父方の祖母を預けている手前何も言えないけど、1度たりともお見舞いにも来てくれなかったのに。

私は…、手術に見舞いには当然欠かさず行った。

偶然母の好きな中田選手の写真が新聞全面に載っていたので、母の気持ちも解れるだろう、と

持参したけれど

相変わらす痛みは続いている様で

新聞を朦朧としながら見て

また横になった。

私は母の「痛い」という所を一生懸命揉んだけど

決して本当の痛い部分には届いていなかった。

その様子は首筋の腫れとマーカーが物語っていた。

これは、放射線照射治療のマーカーなのだな。

母は癌なのだな、と。