ふふっと小田切が笑う

俺の事…よく見てる…

そう思った瞬間、顔がカーッと赤くなってしまった…

「あはは、先生照れてるー!可愛いね」

「うるさい!うるさい!」

「私はちゃんと知ってるよ!先生が和食党な事も、眼鏡がダテな事も。
有名な大病院の三男坊だって事も…」

…へ?

大病院の三男坊…

「…お前、俺が金持ちだと思って2号になりたいんだな…?」

したたかなヤツ!危なく騙されるところだった…

そうだよな、でなきゃ、こんなオイシイ話がある訳無い!

目が醒めた!

危ない、危ない…

「ふふっ、そんな事ある訳無いじゃないですか…お金目当てなら跡取りを狙いますよ。でも先生はここにいる…つまり、跡取りじゃないし、私はお金目当てじゃないですよ」

「じゃあなんで元から愛人希望なんだよ!」

「私は、先生の1番になれないから…」

またそれかよ!

「私、先生に嫌われるような、最低な事を…してるから…」

な、なんだそれ…

最低な事…

「コンビニってやつか…?」

俯いてしょんぼりしていた小田切の指が、ピクンと跳ねる…


「…先生、実は…私」