「いいえ、お仲人さんですけど…」

ブーッと俺は口からビールを吹き出した

な、な、ななな仲人!?

「この席設けてもらうようにお願いしたんです。夏休みだからデートしないと!」

小田桐がニコリと笑う

そうだ、約束してた…

「堂々とデート、したいんですもん」

そうか…

俺の顔もつられてしまう…

あまりに幸せ過ぎて

どうしよう!!!

「お店も私が決めたんですよ!先生和食が好きだから」

ゆっくり小田桐が俺の箸を取って割り、俺に差し出す

俺は箸を手に取って、並んだ料理を口に運んだ

あぁ、うまい…

俺の好きな味だ…

参った…ホントに参ったよ、小田桐

「ありがとう、ここに居てくれて…俺を選んでくれて…」

「先生…」

「結婚してほしい、蓮実さん」

「私、進路調査に『永久就職』って書きますね」

小田桐は指で涙をすくっていた

「近々、先生のアパートに引っ越してもいいですか?」

「ええ!?無理!!卒業してからにして!」

「ケチー!何でよ!」

「ケジメだけはつけさせろよ!」

小田桐の顔が膨れた