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裏門に行けば、つばきが1人で立っていた。
「つばき!
ごめん」
「ううん
大丈夫」
「じゃ行くか!」
そう言って俺達は歩きだした。
帰る途中も登校のときと同様で、
隣を歩くつばきはモジモジしていた。
「なあ?
登校のときもだけど.....
何かした?」
一瞬....
つばきの表情が暗くなったような気がした。
でも、
「ほんとになんでもないよ!」
と言われたのでこれ以上聞けなくなった。
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15分ほどで家につき、
つばきの家の前で別れた。
家に帰っても考える事はつばきのことばかりで、
あのモジモジした行動がとにかく気になった。
......明日詩音に聞いてみよ......
そう思いながら、
俺は眠りについた。
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朝
俺は昨日と同じくつばきと登校した。
......あー......今日も可愛いな.....
とか思って歩いていた。
だんだんとR高の生徒が見え始めると
今まで前を見ていたつばきは俯いてやっぱりモジモジ。
今日は何も聞かないことにした。
下駄箱で靴を履き変えていると、
「あの!」
誰かが話しかけてきた。
........誰?こいつ
「私.......
一目惚れしました!
付き合って下さい!」
突然、
大衆の目の前で告られた。
......付き合ってって言われてもさ.....
あんたのこと知らないんだけど.....
だからとりあえず
「ごめん。
俺、君と初めて会ったからさ....
名前も知らない人と付き合うのは.....」
そう言った。
「分かりました」
目の前の女子があっさりと言ったので
つばきのところに向かおうとしたときだった。
「私のことを知ったらいいんですよね?
じゃあメアド教えて?」
満面の笑みをこちらに向ける女子。
「あ.......
えーと.....」
なんとなく...
こいつには教えたくない。
どうやって切り抜けようか迷っていると、
無理矢理ポケットに手を入れられて交換させられた。
は?最悪.....
「じゃ!
連絡するね?」
女子は友達のところに行ってしまった。
.......ほんと最悪なんだけど......
交換させられたメアドを見れば
“姫野 桃華”
と言う名前。
ただその名前を呆然と見ていれば、急に周りが騒ぎ出した。
「姫野さんとってすごくなーい?」
「姫野さんが好きになったのって3年の井上先輩以来だよね!」
「あんな美人に好かれるなんて羨ましいー....」
....そんなにあいつすごいわけ?
俺はそんな周りを気にせず、つばきのところに行った。
「つばき!?
行こ」
「.........行ってて.....」
つばきは不機嫌だった。
.....なんで?
俺、癪に障ることしたっけ?
これ以上不機嫌にさせたくは無い。
ここはひとまず、
つばきの言う通りにした。
「.......んじゃ......
行くな....?」
俺は教室へと向かう。
教室に行く途中、
「姫野さんがコクったんだって!」
っていう話題で持ちきりで、俺は転入生にプラスされて注目された。
それは教室に入ってからもで、転入2日目にしてヘトヘトになってしまった。
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お昼休み
昨日と同様で詩音と屋上に行き、
つばきと合流して弁当を食べようとしたとき、
~♪~♪
.....メール?
俺の携帯が鳴り、ディスプレイを見ておどろいた。