俺の言葉を聞いた詩音は
「あんなやつにつばきを渡しちゃだめだからね!!」
なんて言って教室を出ていく。
詩音に言われなくても渡さないから....
俺は荷物を持って隣の教室へ入る。
いや....
入ろうとした。
「んじゃ日曜にな!」
「うん!神谷くん家楽しみだな♪」
「俺もつばきが来てくれるの楽しみだよ。」
一枚、教室のドアを挟んだ向こうから聞こえてくる2人の会話。
つばきと...
神谷啓太の会話。
ただの会話ならよかったのに......
“日曜”に“神谷の家”?
どういうことだよ....
俺はただドアの前に立ち尽くしていた。
まさかな...