すぐさま詩音と瞬介に言って、いろいろと探りを入れてみれば
あいつ....
姫野は実際に嫌がらせはしていなかった。
でもまた変な噂を流したらしい...
内容は最悪。
“直紀くんとやっと付き合えたのに寝取られた”
だとよ。
お前となんて付き合ったことないから。
しかも寝取られたってなんだよ....
つばきとは....まだだし....
この誤解さえ解ければ嫌がらせな無くなりそうなんだけど....
何故か姫野はほぼ全校生から好かれてるらしいから
俺より姫野の言うことをみんな信じるだろう。
どうすればいいのか...
あーだこーだ作戦を立てながらつばきが自分から言ってくれるのを待っていた。
でもつばきと一緒にいたあの男、神谷がつばきが前に気になっていた人だって詩音が言い出したことによって、
結局バカな嫉妬でつばきを責めてしまった。
今....
やっと落ち着いたつばきはすべて話してくれた。
辛そうに話すつばきの姿は
痛々しかった...
もう...手を打たなきゃな.....
【つばきside】
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私は直紀くんにすべてを話した。
ずっと優しく抱きしめていてくれていたから
辛かったけど落ち着いて話すことができた。
その後、
少し何かを考えたような直紀くんが驚きの言葉を発した....
「今日俺ん家に泊まりきて」
「......え!?」
彼氏の家にお泊り.....
嬉しいけどね...?
恥ずかしすぎるでしょ///
「つばき....嫌?」
1人で赤くなってる私に首をかしげて聞いてくる直紀くんはかなり可愛い...
「可愛い....直紀くん.....」
「は!?」
....はっ!
私ってば声に出しちゃった!?
...みたいだ.....
直紀くんは真っ赤になって固まってる。
「あ、あの...直紀くん?」
ゆっくりと声をかければハッとして、私を見ながらニヤリと笑う。
「つばきのほうが可愛いよ?」
「っ//////」
あと数センチで唇が触れそうな位置まで近づいてきて言う直紀くん。
仕返しで真っ赤になった私にチュッと軽くキスをして満足そうにしている。
付き合い出してからの直紀くんはすっごい甘々で時々意地悪....
それで
余計好きになっちゃう私は直紀くんに依存してるのかも。
「まぁ嫌って言われても連れてくから準備して」
と言われた私はお泊りの準備を始めた。
別に隣だし明日も休みだからあんまり何もいらないんだけどね。
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「お邪魔しまーす」
直紀くん家の玄関で挨拶をして
そのまま直紀くんの部屋に入った。
まだお昼なのに寝るときのことを考えてる私は相当な変態だ...
夏休みに何回もきたのにそわそわしちゃう。
そんな私を見て直紀くんは爆笑していた。
「そんなに笑わないでよ!//」
「だっておもしろすぎんだもっ」
「しょうがないじゃん...//」
「そんなにここが落ち着かないなら外行こっか?」
からかいながら言ってくるから反発したくなるけど....
「行く...」
とにかく落ち着かないからここから出たい.
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「おいひぃ~~~っ!」
家から出た私達は最近出来たショッピングモールの中のクレープ屋さんに来た。
チョコフレークが入ったクレープは最高においしいっ!
隣に直紀くんがいるのも忘れて必死で食べていた。
だから直紀くんがずっとこっちを見ていたなんて知らなかった。
食べ終わったあとに
「すごい食べっぷりだったな」
って笑われてかなり恥ずかしい...
彼氏の前で食べ物にがっつくなんて...
これからはしないようにしよう。
1人反省をしながらいろいろなお店を2人で回っていた。
「え...?桜井....?」
「ほぇ?」
後ろから聞こえた声に振り向くと....
「神谷くんっ!?」
神谷くんが小さい女の子と手をつないで立っていた。
女の子は保育園くらい?
女の子をじーっと見ているとポカッと叩かれた。
「いたっ...」
隣を見れば苦笑している直紀くん。
「つばき見過ぎだろ....なんか怯えてるぞ?」
「えっ!」
女の子をまた見れば若干神谷くんの後ろに隠れている。
「ご、ごめんね!
悪い人じゃないよ、神谷くんの友達だよ!」
自分で悪い人じゃないって言うのはどうかと思うけど悪い人じゃないはず!
「お兄ちゃんのお友達....?」