愛する眠り姫に目覚めのキスを





小さい頃

君と俺は約束した。





『僕が強くなってイギリスから帰ってきたら!

お嫁さんになってください!!』


そう言った俺に


『うん!

ずっとつばき直くんのこと待ってるから!

絶対に帰ってきてね!』




君は答えた。


小さな小指を出し合って交わした約束。



君はおぼえてる?







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「直紀(なおき)!

起きなさい、着いたわよ!」



......ん....だよ.....うっせぇな.......







「って!

日本!!!?」



「言ったじゃない!

ほら、早く降りましょ」






母と2人、10年ぶりに日本の地に足をつけた。



俺は

イギリスから帰ってきた。









帰ってきた理由。



それはイギリスに勤めていた父の死。



残された俺達はイギリスにいる必要は無くなり、

10年前まで住んでいた家に戻ることにしたのだ。








「うっわ!

ここらへん変わんねぇな!」


俺の家の前に立ち、周りを見渡す。







「ほんとねぇ!

早く片付けてお隣に行きましょ!」




お隣.....

俺がずっと思いづつけた君の家。



.......10年前の約束.....俺は覚えてるよ?






俺は早く君に会いたくて

急いで家に入った。















「うっわ、埃くさ.....」



「そりゃ10年も開けてたら当たり前じゃない」





.......まあそーだけどさ......






にしてもこの埃の量.......

こりゃ結構な時間かかりそうだな。




「よし!やるか!」



俺はほうきで埃をはいている母さんの後ろを雑巾で拭いていった。












5時間後。



「きれいになったわぁ!

さ、お隣に挨拶行きましょ」



俺達は埃をすべて排除し終え、

ある程度の片付けも終わり、

お隣に行くことになった。






......やっと会えるよ......








ピンポーン.....


ガチャ





「ええ!?

もしかして......

里佳子(りかこ)ちゃん!?」


「紗英(さえ)ちゃん久しぶりぃ!

今日の午前中に帰ってきたのよ!」



ドアから顔をのぞかせた紗英さんと母さんは再会を果たし、大いに盛り上がる。




.......つか早く中に入りてぇ!

早く.....


君に会いたい......