愛する眠り姫に目覚めのキスを






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
















『私をフるもフらないも直紀くん次第だよ?




ふふっ

よーく考えてね♪





さっきの言葉の意味』






中庭で姫野に言われたこと

午後からずっと頭の中で繰り返される。





姫野のいう

“さっきの言葉”


これはきっと


“この子さえいなければ”



のことだと思う。



.......



何か...

つばきにするつもりってことか...?











ーーーー





よく分からないまま、

数日が経った。




つばきには未だ何の被害もない。





姫野が何かしでかすんじゃないか


これは

俺の思い過ごしだったみたいだ。




あれから姫野からの接触や連絡もなく、

平和な日々を過ごせている。




最近ではお昼休みに瞬介も混ざり、

俺達4人である計画を立てていた。








「瞬介!

あんたみたいないい友達を持ったあたし達は幸せ者だよ!」



詩音がバシバシと瞬介を叩きながら

こんなことを言う理由。




俺達は夏休みを利用して、

瞬介の家が持つ別荘に泊まりに行くことになったのだ。


別荘があるところは海の近くで、

海水浴もできて、夏には持って来いな場所。




今はそこに行く日程などを決めている最中。



『夕飯はBBQしよう』

『夜は海で花火しよう』


など

あーだこーだ言っていた。



つばきは何故かBBQという言葉に目を輝かせ、

かなり楽しみにしてるみたいだった。













ーーーーーーーーーーー





夏休みに入り1週間が経ち


いよいよ待ちに待った旅行の日。





「おはよーございまーす!」



俺は詩音と瞬介と待ち合わせした駅につばきと2人で行くことになっている。





バタバタバタ....





毎朝恒例の音。




...来た...








「直紀くんおはよ!」







...やべっ...//



つばきの私服...







初めて見たっていうか



再会してから初めて見た私服。




海に行くのにぴったりな

水色にピンクや白のハイビスカス柄のワンピース。










「つばき...可愛い...」










思わず声にでる。







「//

ありがと」






つばきがサンダルを履き、

外に出てきたらつばきの手から荷物をとる。





「持つよ」


「え!

重いからいーよ」


「軽いから大丈夫!

ほら、

早く行かないと遅れるぞ?」




俺に荷物をとられて慌てるつばきを無視して歩く。




「あっ!

待ってよっ」







...ふっ(笑)







俺達は駅へと向かった。








ーーーーー





「ちょっと直くん!


どういう事なの!?」



駅で詩音と瞬介と合流すれば

何故か俺は怒られた。



「は?

何がだよ?」


「あれ!」





詩音の見る方には...




















「姫野っ!?」















「あー♪

直紀くんっ!」





俺達から少し遠いところにいた姫野が近づいてくる。





...なんでこっちくんだよ?!





「詩音!

なんであいついんの?」



姫野に聞こえない声で聞く。




「はぁ?

何言ってんの?!

姫野のこと誘ったんでしょ!」



「誰が?」



「直くん!」



....は?






「誘ってねぇよ!!」




俺がそう言えば、

詩音は口を開けてぽかんとしている。












「姫野...

直くんに誘われたって言ってたよ...?」









意味が分からない...


俺は誘ってないし、


他の人も誘ってない。




ってことは....










...........勝手に来たわけ?






4人唖然としているところに

遂に姫野が到着...











「直紀くんっ!


来ちゃったっ♪てへ」