「なあ、お前さ。」 「はい…」 「さっき助けてもらったお礼がしたいとか言ってたな。」 私、もしかしなくても… 不良よりももっと恐ろしくて厄介なヤツに、捕まってしまったのかもしれない。 「まあ…言いましたね。」 言いかけだったけど。 不安を滲ませながら答える私に、 先輩の顔がいきなりグッと近づいた。 「…っ!!」 突然の至近距離に、私は思わず固まる。 な、何!?